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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻11号

1986年11月発行

文献概要

論述

転移性脊椎腫瘍に対する後方手術の適応と成績について

著者: 藤原桂樹1 米延策雄1 冨士武史1 江原宗平1 山下和夫1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1203 - P.1210

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 抄録:悪性腫瘍の脊椎転移に対して手術療法を施行する場合,当科では病変の局在により前方法・後方法のいずれかを選択している.後方除圧術の適応は,6カ月以上の生命予後が望め,連続3椎体以上の罹患,もしくは後方要素・硬膜外腔への転移症例としている.1968年以来当科で施行した23例の後方除圧例を前方除圧固定術例と比較検討し以下の結果を得た.1)術後成績は疼痛,麻痺の改善ともに前方除圧固定群が最も良好で,次いで後方除圧固定群,椎弓切除群の順であった.2)椎体の破壊が高度で脊柱の支持性が消失した例では固定術を併用しなければ疼痛改善が得られない.支持性良好であれば椎弓切除のみで充分である.3)麻痺の改善については脊髄・馬尾への圧迫因子が前方に存在する症例では椎弓切除のみでは良好な成績は望めない.前方からの除圧,もしくはalignmentを矯正したうえでの後方固定が必須である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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