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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻11号

1986年11月発行

文献概要

シンポジウム Bioactive Ceramics研究における最近の進歩

ハイドロキシアパタイトと唾液,血液,関節液との反応

著者: 青木秀希1 秦美治1

所属機関: 1東京医科歯科大学医用器材研究所

ページ範囲:P.1225 - P.1232

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 抄録:ファインセラミックスの一つで,骨組織や皮膚組織と極めて親和性の高いハイドロキシアパタイトが最近注目されている.ハイドロキシアパタイトを素材とした生体材料が体内に埋入される時にまず最初,血液や唾液などの体液と接触し,溶解や蛋白吸着などの反応が起こる.この最初の反応は生体材料の劣化や親和性と密接に関係し,これを明らかにすることは極めて重要である.本稿はハイドロキシアパタイトと唾液,血液,関節液などの体液との反応性を物理化学的,生化学的に検討し明らかにした.六方晶系のハイドロキシアパタイトは体液中で極くわずか溶解する,a軸方向には溶解するが,c軸方向にはほとんど溶解が起こらないことがわかった.また体液中の蛋白質が吸着し,その量は反応時間と共に増大する.特に強固に吸着している蛋白質のアミノ酸組成はプロリンが少なくセリンが多い特徴的なものであることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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