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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻11号

1986年11月発行

文献概要

シンポジウム Bioactive Ceramics研究における最近の進歩

True Bone Ceramicsの特長について

著者: 植野裕1 桜井啓一1 笠松望1 栗本公博1 青木雅昭1 嶋良宗2 秋山太一郎3

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科学教室 2和歌山県立医科大学 3日本医用高分子材料研究所

ページ範囲:P.1259 - P.1265

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 抄録:自家骨移植には採骨のための追加手術が必要であり,供給量も限られることから同種骨や異種骨,また最近では合成セラミックスが骨欠損部への充填材料として利用される.しかし,同種骨,異種骨移植には免疫反応,合成材料には生体への安全性などの問題が基本的に内蔵されている.私どもはこれらの問題を解決するために,天然骨(哺乳動物)を焼成することにより骨構造をそのまま温存した完全な除蛋白骨—焼成骨,True Bone Ceramics,TBC—を開発した.この素材は元の骨構造を温存していること,無機質は結晶化した骨塩であることが特長である.組織学的実験では優れた組織親和性,骨形成性が示され,更に新生骨基質がTBCの内部に侵入する積極的な結合も観察された.TBCは生体と一体化し癒合してゆく興味ある素材として私どもは高く評価しており,臨床上も優れた効果を得ていることから自家骨に代り得る骨移植材料として期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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