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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻11号

1986年11月発行

文献概要

臨床経験

距骨に嚢腫様変化を呈した色素性絨毛結節性滑膜炎(PVS)の1例

著者: 大田秀一1 浜田勲1 中村孝志1 林卓司1 綿谷茂樹1

所属機関: 1田附興風会医学研究所北野病院整形外科

ページ範囲:P.1281 - P.1285

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 抄録:症例は66歳男性.主訴は右足関節痛.昭和48年某医にてPVSと診断され滑膜切除術をうけた.昭和51年他医にて距骨骨嚢腫と診断されるも放置していた.昭和59年6月嚢腫様病変の拡大を指摘され同年9月当科に入院した.レ線上距骨体部内側に嚢腫様骨透明巣を認め,足関節周囲軟部組織は軽度腫脹し,CT上軟部組織内にややhigh densityの部分が混在していた.PVSの再発を疑い手術を施行した.足関節周囲には多数の有茎性結節状腫瘤を認め,距骨体部内側のosteo-chondral junction近傍に直径約2mmの小孔が開存し,唯一これが嚢腫様病変部に通じていた.骨皮質を開窓すると足関節周囲と同様の結節状腫瘤が充満し,組織学的にもPVSの所見であった.手術は病巣郭清後腸骨骨移植を行った.PVSにおける骨破壊機序には諸説あるが,自験例では距骨の栄養動脈の1つである後脛骨動脈からの三角靱帯枝の血管孔経由でPVS組織が距骨内へ侵入したものと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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