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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻12号

1986年12月発行

文献概要

論述

変形性股関節症に対するTHRの長期成績—股関節症における骨の増殖性変化とloosening

著者: 斉藤正伸1 西塔進2 仁科哲彦2 清水信幸2 大園健二2 高岡邦夫2 小野啓郎2

所属機関: 1市立豊中病院整形外科 2大阪大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1309 - P.1318

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 抄録:股関節症に対するTHRにおいて,人工関節のゆるみに影響する生体側の因子として,術前の股関節症の増殖性変化の程度とTHRの術後成績との関連を検討した.対象は術後5年以上経過した63関節で,osteophyteの形成の強さから股関節症をhypertrophic type,normotrophic type,atrophic type(以下H型,N型,A型)の3型に分類し,ソケットおよびステムのゆるみとの関連を検討した.ステムのゆるみは股関節症分類と関連しなかったが,臨床成績,ソケットのゆるみは股関節症分類と関連した.術後5年の臨床成績はA型が最も低く,X線学的ソケットのゆるみはH型6%,N型8%,A型41%とA型に高頻度であった.最終調査時の臨床成績は,術後5年で安定していたN型の成績が低下し,X線学的ソケットのゆるみはH型12%,N型33%,A型46%とN型での増加が著しい.以上,術前の股関節症分類はソケットのゆるみと関連し,H型が成績良好でA型で最も劣っていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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