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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻12号

1986年12月発行

文献概要

シンポジウム セメントレス人工股関節

セラミックセメントレス人工股関節の適応と問題点

著者: 浅井富明1 長屋郁郎1 古沢久俊1

所属機関: 1国立名古屋病院整形外科

ページ範囲:P.1347 - P.1355

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 抄録:骨セメント使用の従来のTHRは短期成績は良好であるが長期的にみると骨と骨セメント間のゆるみの発生が問題となる.当科で1982年6月より施行したセラミックバックのセメントレスソケットを用いたTHRのうち半年以上を経過した61例69関節の臨床成績を検討した.疾患別では変股症が49例56関節と最多で,以下RA,大腿骨頭無腐性壊死,大腿骨頸部骨折の順であった.変股症の手術時平均年齢は53.6歳±5.1,臨床成績は術前45.0±14.7が術後3年で80.2±11.5と改善した.成績の安定までにやや期間を要した例もあった.高度臼蓋形成不全に対する切除骨頭移植なども一因と考えられたが,セメントレスソケットが骨性臼蓋に強固に固定されるのにある程度の期間を必要とする症例もあるためと推論された.本術式は術直後の除痛効果に少しく難点を有する例もあるが,長期の耐用性が期待でき,変股症を始めとする各疾患の若年者に対する手術法として十分に適応があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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