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シンポジウム セメントレス人工股関節
文献概要
抄録:骨セメント使用の従来のTHRは短期成績は良好であるが長期的にみると骨と骨セメント間のゆるみの発生が問題となる.当科で1982年6月より施行したセラミックバックのセメントレスソケットを用いたTHRのうち半年以上を経過した61例69関節の臨床成績を検討した.疾患別では変股症が49例56関節と最多で,以下RA,大腿骨頭無腐性壊死,大腿骨頸部骨折の順であった.変股症の手術時平均年齢は53.6歳±5.1,臨床成績は術前45.0±14.7が術後3年で80.2±11.5と改善した.成績の安定までにやや期間を要した例もあった.高度臼蓋形成不全に対する切除骨頭移植なども一因と考えられたが,セメントレスソケットが骨性臼蓋に強固に固定されるのにある程度の期間を必要とする症例もあるためと推論された.本術式は術直後の除痛効果に少しく難点を有する例もあるが,長期の耐用性が期待でき,変股症を始めとする各疾患の若年者に対する手術法として十分に適応があると思われた.
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