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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻2号

1986年02月発行

文献概要

論述

脊髄損傷患者の異所性骨化に対するDisodium Etidronate(EHDP)の効果の検討

著者: 佐々木邦雄1 芝啓一郎1 植田尊善1 山野耕一郎1 浅川康司1 古森元章1 森永政博1 高嶋研介1 角田信昭1 吉浦光三2 江口正雄3

所属機関: 1総合せき損センター整形外科 2福岡大学整形外科 3九州大学整形外科

ページ範囲:P.141 - P.147

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 抄録:我々は,脊髄損傷患者に好発する異所性骨化に対する治療の一手段として,骨組織の石灰化抑制作用を有するdisodium etidronateの投与を行い,本剤の効果・副作用について検討を行った.投与は,20mg/kg/日を2週以後10mg/kg/日を10週間,計12週間経口摂取にて行った.効果は,投与終了時及び最終時(投与終了後6ヵ月)の局所所見・関節可動域・血清アルカリフォスファターゼ(以下Al-phと略す)値・レ線所見にて判定した.骨化の進行防止を目的として使用した症例は12例であり,最終時,関節可動域改善は33%にみるも,レ線学的改善を示した症例はなく,不変50%進行50%であった.Al-ph値は15KAU以上が投与前8例・終了時6例・最終時1例であった。副作用として,胸腰椎部損傷例の前方移植骨の骨癒合遅延が2例に存在した.中等度骨化・Al-ph値15KAU以上の症例の投与中止時期の決定が問題と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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