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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻2号

1986年02月発行

文献概要

臨床経験

手指骨より初発したサルコイドージスの1例

著者: 藤田資文1 横山正弘2 本郷一郎2 柳谷幸敏2 花井淳3

所属機関: 1滋賀医科大学整形外科学教室 2市立堺病院整形外科 3市立堺病院臨床病理

ページ範囲:P.165 - P.168

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 抄録:サルコイドージスの骨病変はよく知られているが,本邦における報告は比較的少なく,自験例も含め28例である,このうち約半数が皮膚科領域における報告である.骨病変を有する場合,すでに肺病変や皮膚病変を伴う事が多く,自験例のごとく骨より初発する例は3例にすぎない.
 症例は,49歳女性,右小指の腫脹及び疼痛を主訴として来院した.初診時X線像では,胸部に全く異常を認めず,右小指基節骨に嚢状骨透亮像が存在した.試験切開では,基節骨髄内より発生した肉芽が,皮質を破壊し周囲組織に侵入していた.組織学的には,炎症細胞の浸潤を伴った類上皮細胞結節が所々に見られたが,特異的な変化はなく,乾酪壊死も認められなかった,経過観察をしていたところ,頸部リンパ節腫脹が出現し,同部の生検により,典型的なサルコイドージスの像を得た,そこでステロイドの内服を開始し,臨床症状の改善をみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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