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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻2号

1986年02月発行

文献概要

臨床経験

大腿部滑膜肉腫に合併した肺腫瘍塞栓症の1剖検例

著者: 野村栄貴1 花岡英弥1 宮内潤2 矢部啓夫2 倉持茂2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2慶應義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.183 - P.187

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 抄録:大腿部滑膜肉腫に合併した肺塞栓症により急死した症例を経験したので報告する.症例:46歳女性.主訴:左股関節痛.現病歴:昭和57年7月頃より左股関節痛が出現した.11月1日左大腿上部内側の腫瘤に気づき,精査目的にて入院した.経過:CT scan,血管造影などで悪性腫瘍が疑われたため,11月29日生検予定であったが,当日朝排便中,突然意識消失,呼吸停止をきたし,急死した.剖検所見:左主肺動脈基部にmassiveな新鮮な赤色血栓,右肺動脈が上下葉枝へ分岐直後に腫瘍血栓塞栓,更に両肺末梢動脈にも微小腫瘍血栓塞栓を認めた.左大腿部の腫瘍は肉腫状の部と一見上皮性の部から成る"biphasic pattern"を認めることから滑膜肉腫と診断した.考察と結語:患者の急死の原因は,肺腫瘍塞栓による肺動脈の血流障害を基盤に左主肺動脈にmassiveな血栓性閉塞が生じたためと推論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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