icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻2号

1986年02月発行

文献概要

臨床経験

下腿ガングリオンの1症例

著者: 三須一雄1 中川研二1 片田重彦1 安藤謙一1 杉浦達昌1 清水端松幸1

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.195 - P.197

文献購入ページに移動
 抄録:近位脛腓関節より発生し,下腿中央にまで茎をもって下垂して腫瘤を形成した下腿ガングリオンの1症例を経験した.症例は43歳の女性で右下腿の腫脹を主訴として来院した.下腿上中1/3前外側に小指頭大の腫瘤を認め圧痛があり,CT像にて右下腿伸筋群に一致して,境界明瞭な直径約2cmの円形の低吸収域が認められた.手術的に摘出すると,内容物はゼリー状で,病理組織学的診断はガングリオンであった.3ヵ月後に再発し,1年後に再手術を行った.前脛骨筋と長趾伸筋との間に小指頭大の弾性硬の腫瘤があり,下腿中央より径3mmの管状の組織が近位脛腓関節まで連続していた.以上より本症例は,近位脛腓関節より発生したガングリオンが,前脛骨筋と長趾伸筋との筋間の比較的抵抗減弱部に向かい,重力により下垂してきたものと考えた.従って下腿中央のガングリオンの症例に際しては,中枢への連続性に充分注意する必要があると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら