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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻2号

1986年02月発行

文献概要

臨床経験

先天性橈骨頭単独脱臼を伴った13q-症候群の1例

著者: 日高康博1 政田和洋1 川端秀彦1 露口雄一1 廣島和夫1 小野啓郎1 大谷和正2

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2泉佐野市民病院小児科

ページ範囲:P.205 - P.210

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 抄録:先天性橈骨頭脱臼を伴った13q-症候群の1例を報告した.本症候群に先天性の橈骨頭脱臼を伴う症例の報告は,見あたらない.本症候群は,鼻背突出,巨大耳介,鎖肛,母指の低形成などを伴う染色体異常であるが,バンド染色にて確定診断が可能であった.本症例に見られた先天性の橈骨頭脱臼は片側性の前方脱臼であり,回内制限が強い点で従来報告されている先天性橈骨頭脱臼とは相違していた.回内制限が強いため,生後2歳10ヵ月で手術を行ったが,骨間膜の肥厚と緊張が最大の整復障害因子であり,骨間膜を切離することにより橈骨頭の整復が可能となったが整復位を保持するためには,さらに橈骨の回内骨切り術を追加する必要があった.その結果,回内回外は,術前-70°,90°から術後-10°,90°と改善した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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