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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻3号

1986年03月発行

文献概要

論述

手足軟部組織の良性軟骨性腫瘍—腱滑膜軟骨化生と粘液性軟骨腫に区別することの提案

著者: 伊藤慈秀1 水島睦枝1 坂手行義1 堤啓2 中西純夫2 檜沢一夫3

所属機関: 1川崎医科大学病理学・整形外科学教室,川崎病院部門 2岡山大学医学部第二病理学教室 3徳島大学医学部第一病理学教室

ページ範囲:P.249 - P.257

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 抄録:手足の軟部組織にまれながら発生する良性軟骨性腫瘍は組織発生が確立していない.手指(3),手掌(4)および足底(1)病変の8例につき,類縁疾患との対比と文献的考察を含め,主に組織学的観点から検討を加え,その整理を試みた.第1群は完全分葉状の成熟硝子軟骨組織からなる5例からなり,うち手の4例で著明な石灰化を伴い,腱鞘との連続が明瞭であった.第2群は非または偽分葉状で孤立腫瘤状を呈し,主に粘液腫性軟骨組織からなる3例からなり,石灰化は軽度で,腱鞘との連続がなかった.両群は相互に明確に区別でき,前者は大関節内に発生する原発性滑膜軟骨化生と区別することができないことから,腱滑膜軟骨化生と考え,後者は肉眼像と軟部粘液性軟骨肉腫との類似点からも真性腫瘍と考え,"粘液性軟骨腫"と呼称することを提案した.文献報告例も,ほぼこの2型に分けることができ,前者に比し後者の再発率が高い可能性を指摘した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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