文献詳細
文献概要
症例検討会 骨・軟部腫瘍9例
〔症例6〕左上腕骨および腋窩腫瘍
著者: 柴田大法1 坪内康則1 古味潔1 佐々木雅敏1 呉聡栄2 大森高明3 田部井亮3
所属機関: 1愛媛大学整形外科 2愛媛大学中検病理 3愛媛大学第2病理
ページ範囲:P.272 - P.275
文献購入ページに移動1977年7月(当科初診7年前)に左上腕骨病的骨折を招来し,某医にて1カ月の外固定ののち生検を受けた.病理診断は非骨化性線維腫であった.後に供与されたX線写真では,左上腕骨近位骨幹端より骨端に虫喰い様骨吸収があり病的骨折と仮骨形成を伴つている.骨頭には正常骨梁がみられ偏心性傾向があり骨巨細胞腫を思わせるが,蜂巣様,多房性陰影とはいい難い(図6-1A).手術への恐怖と疼痛軽減のため患者は爾後の治療を拒否し放置した.2年後に左腋窩部に腫瘤を生じ,左上腕近位部と共に増大,手拳大に達した.1984年7月転倒して,左上腕に激痛を来し,切断によらない治療を希望して当科初診した.
掲載誌情報