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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻3号

1986年03月発行

文献概要

臨床経験

Retropharyngeal tendinitis without calcium depositと思われる4症例

著者: 吉峰史博1 井口傑1 高田知明1

所属機関: 1東京専売病院整形外科

ページ範囲:P.297 - P.302

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 抄録:特徴ある臨床症状,経過及びレ線所見を示す急性頸部痛の4例を経験したので報告する.34歳から69歳迄の女性3例,男性1例の4例で,ともに数日間のうちに項部痛が増悪し,激痛となり受診.頸部は中間位で,運動制限が著明で,微熱・嚥下痛を伴う.初診時レ線像にて,全例ともC1〜C4迄椎体前方軟部組織腫脹が認められるが,石灰沈着は不明である.血沈亢進,CRP陽性で,初診後1〜2週でレ線上椎体前方軟部組織腫脹は正常化し,それと共に臨床症状も消失した.
 非石灰化を除けば,頸長筋の腱部に起因する石灰沈着性腱炎と考えられているretropharyngeai tendinitisと考えられる.今回の4症例とも石灰沈着がないとは断言できないが,実際に石灰化のない単なる炎症によりretropharyngea spaceが拡大する可能性を今回の症例が示唆していると考えたい.急性頸部痛で,特に嚥下痛を伴う患者では,この疾患を念頭に入れ,診察をしなければならないと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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