icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科21巻4号

1986年04月発行

雑誌目次

特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)

脊椎・脊髄外科診断学の進歩

著者: 原田征行

ページ範囲:P.326 - P.326

 近年の脊椎外科の進歩は目を見張るものがある.手術手技の改善,spinal implantの開発などで手術成績は飛躍的に向上した.しかし我々脊椎外科に携わる者が心にとどめおかなければならないことは,手術の前の正確な診断であろう.1つは脊椎・脊髄病変のレベル診断であり,もう1つは横断面での病変部の占める位置の決定であり,更に脊髄病変部が非可逆性か,可逆性であるかの診断も必要である.
 そのどれもが手術を正確に安全に行い,その成績向上に欠かせない診断であるが必ずしも満足すべきものではない.近年多くの診断方法があるが,患者の負担が最も少なく,的確な診断法が望まれている.この中で最近の進歩の著しい,CTを始めとした画像診断,脊髄誘発電位を今回の研究会のテーマとして取り上げた.この方面での会員の関心は深く,1次募集では130題余の申し込みを頂いたが,会期,会場の都合もあり30数題については2次募集を辞退して頂いた.このことに対しては大変申し訳なく,失礼致したことをこの誌面を借りてお詫び申し上げる次第である.結局2次募集に出題して頂いた100題について2日間に亘り発表,討論して頂いた.

座長総括/「Ⅰ.CT(1)頸椎」の部

著者: 酒匂崇

ページ範囲:P.327 - P.328

 このセッションでは,頸椎疾患,特に頸椎症性脊髄症(OPLLを含む)に対する単純CTやCTミエログラフィ(CTM)の所見について,診断的価値,病型との関係,術後の症状改善との関連性などが検討された.
 まず,秋山(九大)は,単純CTの頸椎椎間板ヘルニアにおける診断的価値について述べた.単純CTではヘルニアを正確に診断することは一般に困難で,症例によっては明確な所見が得られることもあるが,ヘルニアとhard discとの鑑別が不可能で,artifactも多いとのことであった.山野(川崎医大)はDisco-CTを用い,椎間板ヘルニアの像を分析し,ヘルニアの部位,程度,方向,量などを明確に捉えることができることを強調した.

座長総括/「Ⅱ.CT(2)腰椎」の部

著者: 蓮江光男 ,   辻陽雄

ページ範囲:P.329 - P.330

 腰椎部のCT検査は,骨組織や骨性脊柱管の水平横断面での描出のみでなく,椎間板や神経根組織などの非骨性組織の病態の把握に広く用いられるようになった.さらにそのreformationにより,水平横断面以外の種々の断面での病態把握にも利用可能となって来た.このセッションでは主として腰部脊柱管狭窄と椎間板ヘルニアについての検討が報告された.
 II-15遠藤らは変形性腰部脊柱管狭窄の病態を,CT像から8型に分類した.臨床上問題となることの最も多いL4-5間には,あらゆる型の変化がみられ,また椎間関節開角と椎間関節間距離には,対照群との間に有意差があったと述べた.この発表に対して,CT像という形態学的所見と臨床症状との関連性についての質問があったが,病変は多椎間に見られることが多く,どの所見が症状と結びつくかの決定は困難であるとの返答があった.CT検査の限界の1つと言えよう.

座長総括/「Ⅲ.CT(3)外傷・腫瘍」の部

著者: 金田清志 ,   井形高明

ページ範囲:P.331 - P.332

 CTによる画像診断で,脊椎外傷,脊椎腫瘍,脊髄腫瘍についての報告が行われた.脊椎損傷診断にCTが応用されるようになり,脊柱管内病態の判断,脊柱のthree column theoryなどに大きく貢献している.芝(総合せき損センター)は,胸椎,腰椎粉砕骨折のCT像を分析,椎体からの脊柱管内陥入骨片は遅発性麻痺出現の可能性と,粉砕椎体の脆弱性は圧迫骨折に比し後彎変形の増強を来し易いと述べた.単純X線像で損傷椎間板が椎体の頭側に主としてあるものをGroup I(84%),頭尾両側同程度のものをGroup II(16%)とし,CT像から粉砕椎体が椎弓根高位を中心とするType A(58%)と,椎弓根高位で破裂し尾側で縦裂骨折をきたすType B(42%)とした.塚原(国立村山病院)は,脊椎損傷診断でCTが椎弓,椎弓根の病態,脊柱管狭窄判断に有用であることを強調した.木村(山陰労災病院)は頸椎,頸髄損傷例の単純X線像,CT,CT-myelographyにつき述べ,骨傷の明らかでない頸髄損傷例でCT-Mにより脊柱管狭小とMetrizamide ringの不規則像がみられるとした.安藤(東京医大)は各種各部位の脊椎損傷の病態診断にてCTが立体的把握に必須のものであるとした.山下(兵庫医大)は転移性脊椎腫瘍40例のCT像から形態分類を行い,脊柱管は前方から破壊されるものが圧倒的に多く,麻痺の形では後方および後側方浸潤型に完全麻痺例が多いと述べた.
 杉浦(名大分院)は21例の原発性脊椎腫瘍診断でのCT,MRIなどの役割にふれながら,単純写の精読の重要性を強調した.矢作(日大)はCTは単純写,骨シンチグラムで陰性の例でも明示することがあり脊椎腫瘍の放射線療法には不可欠と述べた.

座長総括/「Ⅳ.CT(4)基礎的研究・その他」の部

著者: 河合伸也

ページ範囲:P.333 - P.335

 このsessionでは種々の脊椎・脊髄疾患におけるCTの有用性について単純CT,メトリザマイドCT,ディスコCTの面から,またコンピュータ解析として計11題が討議された.
 飛騨(北大)はspinal dysraphismを疑った56例を対象として分析を行い,CTの高解像力と適切な画像表示を用いることにより単純CTにても非侵襲的にdysraphic stateの解析が可能であることを述べた.

座長総括/「Ⅴ.骨シンチグラフィー・neuroradiology・その他」の部

著者: 平林洌 ,   小野啓郎

ページ範囲:P.335 - P.337

 CTとMRIも一部に含まれたが,主にはそれら以外の画像診断のセッションであった.
 49席の「非外傷性脊髄麻痺…」(千葉大・湯山ら)から始まった.計24例の本態としては脊髄血管系の奇形,腫瘍やその他の循環異常が主なものであった.ミエロでブロック像を呈したものはそのうち8例にすぎず,アンギオ,CT,CTMでも確定診断に至らなかったものが少なくなかったという.

座長総括/「Ⅵ.MRI」の部

著者: 片岡治 ,   竹光義治

ページ範囲:P.337 - P.339

 本セッションのテーマであるNMR(nuclear magnetic resonance:核磁気共鳴)は,最近はMRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像)と呼ばれるようになった.従来の常伝導装置による画像は,空間分解能が不十分のため頭頸部・脊椎領域での診断機能は良好であるが,体幹の画像はX線CTよりは劣るものである.しかし,液体ヘリウム使用により高磁場をうる超伝導装置の導入と,種々の表面コイルの出現により,常伝導も含めその分解能は飛躍的に向上しつつある.
 この最新の補助診断法であるMRIを整形外科領域で最初にテーマとしてとらえたのは,時宜をえたヒット企画といえよう.そして,まだ一部の病院にしか設置されていないMRIに関する演題が13も数えられたことは,脊椎・脊髄領域研究者の関心の深さが示されるものであろう.

座長総括/「Ⅶ.電気診断(1)脊髄損傷・他」の部

著者: 原田吉雄 ,   近江洋一

ページ範囲:P.340 - P.341

 8題の発表の中で応用された誘発電位は,脊髄誘発電位関係が6題,大脳誘発電位関係が2題あった.これらは,1.術中脊髄機能モニタリング,2.主たる脊髄障害レベルや範囲の決定,病態および予後判定,3.頸髄症における神経根症の合併の有無の判定,4.脊髄損傷部における損傷レベル診断と病態および予後の判定などの目的で用いられた.

座長総括/「Ⅷ.電気診断(2)頸髄症」の部

著者: 玉置哲也 ,   里見和彦

ページ範囲:P.342 - P.343

 微小電位を記録するための電子機器が目ざましい発達をとげ,さらに価格的にも安定したものになりつつあることから,人体に発生する各種の電位をとらえ,それを機能的障害の客観的な観察方法として利用しようとする試みは最近とみに盛んになって来ている.とくに神経系の障害の診断にはこの方法が極めて一般的に用いられている訳であるが,末梢神経のように,その構造が比較的単純な組織においてはかなり的確な診断が可能なもののさらに複雑な神経構造を持つ脊髄ではどの程度の情報が得られるのであろうか.このセッションでは,この基本的な疑問点に何らかの解答を得るべく,さまざまな臨床神経生理学的方法論を駆使した結果が報告されており現時点におけるこの方面の臨床的研究の結論とも言える結果が示されていた.
 まず,診断については,従来行われている最も基本的な針筋電図検査による解離性運動麻痺(Keegan型頸椎症)の検討が岡山大学の小西らにより報告された.その結果,顕著な筋萎縮を示している筋のみならず,その近接する髄節高位あるいは反対側の筋からも高率に異常筋電放電が観察されることが示されていた.ここで大切なことは,いわゆる針筋電図の注意深い観察により,かなり正確に障害の高位ならびに広がりを診断できるということである.この発表を除いて他の演題はすべて伝導路の観察,すなわち,末梢神経・脊髄・延髄・大脳皮質に至るインパルス伝導を観察することにより,障害の高位診断,予後判定などを行おうとする研究であった.

座長総括/「Ⅸ.電気診断(3)腰部脊柱管狭窄症」の部

著者: 松田英雄 ,   黒川高秀

ページ範囲:P.344 - P.346

 Ⅸのsessionは種々の電気生理学的アプローチを用いた馬尾および神経根障害の診断,病態に関する研究であった.
 92:島(石川県立中央病院)はスクリーニング的な目的で,後脛骨神経刺激による体性感覚誘発電位(SEP)を測定した結果,この電位は異常EMG,知覚障害と相関し,術後評価の客観化にも有用であるとした.後期成分についての質問(町田,日大)に対して,初期成分に変化が強いと答えた.刺激神経の選択(松田,大阪市大)に対して,腓骨神経よりも読みやすいとした.

メトリザマイドCTの定量解析—頸椎症性脊髄症における重症度と脊髄変形

著者: 八木和徳 ,   本間隆夫 ,   内山政二 ,   松本峰雄 ,   天海憲一

ページ範囲:P.347 - P.353

 抄録:Metrizamide-CT画像の定量解析の問題点に対処しうる独自の方法を用いて,連続的な脊髄・硬膜管の変形と頸椎症性脊髄症の重症度との関連性,症状の左右差,予後の予測,病型や個々の神経学的所見の判別が可能かについて検討した.
 画像上の変形と重症度,症状の左右差とは高い相関がみられた.なお頭尾側方向での変形の範囲よりも横断面での変形の程度が重要であり,とりわけ脊髄扁平率の減少の程度に意味があった.一方,予後の予測,病型や個々の神経学的所見の判別はできなかった.頸椎症性脊髄症の症状発現には脊髄の変形が必須であり,脊髄の扁平化が進むにつれて種々の症状が加わり重症度が増すと考えられた.

CTMよりみた頸部脊髄症の治療予後

著者: 藤原桂樹 ,   米延策雄 ,   廣島和夫 ,   冨士武史 ,   江原宗平 ,   山下和夫 ,   小野啓郎

ページ範囲:P.355 - P.361

 抄録:CTMでの脊髄形態より頸部脊髄症の治療予後を予測できるか否か,40例のCTM像を用いて検討した.脊髄形態を表わす指標として脊髄扁平率,面積を計測し,同時に脊髄の圧迫形態を(Ⅰ)広範,(Ⅱ)中央,(Ⅲ)片側の3型に分類した.最大圧迫高位の扁平率は術前,術後の神経症状(日整会頸髄症判定規準による),改善率(平林による)と相関しなかった.脊髄面積は術後神経症状,改善率と有意な相関を認めた.神経症状の回復不良例における脊髄面積は正常のほぼ50%以下であった.圧迫形態では,広範圧迫型が他の2型に比べて有意に脊髄面積が減少し術後成績も不良であった.罹病期間,脊柱管狭窄の有無も治療予後に影響する因子であった.非圧迫高位であるC3椎体レベルの脊髄面積は,最大圧迫高位と同様,術後の神経症状,改善率と相関した.罹患高位での造影が不良で正確な計測ができない症例でも非圧迫高位であるC3レベルでの脊髄面積を計測すれば治療予後を予測することが可能である.

腰椎部疾患におけるCT像上の各種計測値の意義

著者: 城戸研二 ,   河合伸也 ,   小田裕胤 ,   斉鹿稔 ,   海永泰男 ,   高野信一 ,   秋穂靖

ページ範囲:P.363 - P.368

 抄録:腰椎部疾患のCT像につき代表的計測値である前後径,横径,横断面積について軟部組織も考慮にいれて計測をおこない,各疾患別の計測値を比較することで,その意義について検討した.
 対象は腰部脊柱管狭窄症(degenerative type)の15例,変形性脊椎症の45例,対照群の33例である.これらのCT像について,軟性脊柱管,骨性脊柱管,硬膜管それぞれの前後径,横径,横断面積を計測した.その結果,前後径は,脊柱管形態を反映せず,狭窄の程度の指標とはなりにくいこと,脊柱管横断面積は,狭窄の状態をある程度示すが,同一面積であっても硬膜管圧迫の態度が脊柱管形態によって異なること,圧迫される側の情報として硬膜管横断面積が重要であり,さらに圧迫の程度を知ることで,狭窄部での病態を解明するのに役立つと考えられた.この値を指標にすると,腰部脊柱管狭窄症の最狭窄部位は椎体上縁部である.

腰椎におけるCT像—特にMultiplanar Reformatted CTを中心に

著者: 上田孝文 ,   小島伸三郎 ,   荒木信人 ,   宮内寿彦

ページ範囲:P.369 - P.378

 抄録:当科では1982年7月以降,種々の脊椎・脊髄疾患に対し,通常のtransverse axial CTにcoronal・sagittal及びoblique imageを加えた,いわゆるmultiplanar reformatted CTをその診断に応用している.今回は腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症を主とした腰部疾患55例をとり上げ,その有用性と問題点につき検討した.Reformatted CTを併用することにより,病変の三次元的な拡がりが視覚的にとらえやすくなり,特に腰椎部においては従来のミエログラフィーやtransverse axial CTではとらえにくかったroot tunnel内の病変についても,神経根の走行に沿って斜位方向にplaneを設定したoblique imageが有用であった.Reformationを行う際に最も重要なことは,脊柱の彎曲を考慮した上で,各症例に合せてできるだけ正確にplaneの設定を行うことである.

脊椎疾患におけるCT-discographyの経験—主に腰椎椎間板ヘルニアを中心に

著者: 阿久根隆 ,   森本典夫 ,   富村吉十郎 ,   森園良幸 ,   吉国長利 ,   脇丸一孝 ,   鮫島貴 ,   酒匂崇

ページ範囲:P.379 - P.382

 抄録:腰椎椎間板ヘルニアを中心に33症例50椎間にCT discography(以下CTD)を施行し,その得られたCT像に対し分類を試み,ミエログラフィーや手術所見と対比し,その診断価値について検討した.ミエログラフィーでヘルニア陽性所見を認めCTDでもヘルニア陽性所見を呈したのは82%であった.CTDは椎間板の変性状態,椎間板と脊柱管の相互関係を三次元的に描出するのでヘルニアの脱出部を正確に把握することができる.それゆえ手術前の補助検査法として極めて有用である.また,外側ヘルニアや中心性ヘルニア,meningeal intervalの広いL5-S椎間のヘルニアに対しては,補助診断あるいは手術のアプローチの方法など正確な情報を与える.しかし,造影剤の種類,濃度,撮影までの時間,撮影条件等,検討すべき問題が残されているが,適応を選べば有用な補助診断法の一つとなりうる.

脊椎外傷のCT像—特に単純X線像との比較

著者: 塚原茂 ,   大谷清 ,   柴崎啓一 ,   伊部茂晴 ,   中井定明 ,   藤井英治

ページ範囲:P.383 - P.390

 抄録:神経障害を合併した脊椎損傷75例のCT像を分析し,従来のX線画像診断,特に単純X線像と比較してその利点と問題点とを検討し,以下の知見を得た.
 1)CT像は,脊椎後方要素,脊柱管の狭窄形態の診断に優れていた.2)粉砕骨折27例では,椎弓骨折あるいは椎弓根骨折の合併率は78%で,このうちの29%は後方よりの脊柱管狭窄の原因であった.また,椎間関節の離開は59%にみられ,両者をあわせると不安定型粉砕骨折は93%の高率にみられた.3)脱臼・脱臼骨折30例では,椎弓骨折または椎弓根骨折の合併率は60%で,このうちの56%は脊柱管狭窄の原因であった.4)骨傷の明らかでない13例中4例は外傷性椎間板脱出で,このうち2例は単純CT像のCT値により診断できた.5)脊椎損傷にCTを行う場合は,第1に単純CTを選択すべきで,CTMは,骨傷の明らかでない例や骨傷の軽微な例で,しかも不全麻痺例によい適応である.

原発性脊椎腫瘍の総合画像診断

著者: 杉浦勲 ,   竹田宜弘 ,   石川忠也 ,   新城清 ,   佐藤啓二 ,   浅野昌育

ページ範囲:P.391 - P.400

 抄録:脊椎にも,良性,悪性を問わず各種の原発性骨腫瘍が発生するが,その頻度は全骨腫瘍の2%程度である.腫瘍のびまん性浸潤性発育による骨萎縮,吸収破壊をはじめ特徴的な蚕食像,蜂巣状吸収像,皮殼状膨隆などの画像描写所見は脊椎病変にあっては解剖学的特殊性も加わって単純X線では捉えがたく,特に早期病巣の発見は困難である.原発性脊椎腫瘍の診断にあたっては若年例では好酸球性肉芽腫,動脈瘤様骨嚢腫,ユーイング肉腫などを,仙椎腫瘍では脊索腫,巨細胞腫,軟骨肉腫を念頭において多方向撮影,FCR,断層撮影によって病巣の概略を把握し,更にCTにより浸潤状況など詳細に観察する.必要に応じ骨シンチグラフィーでより早期に癌転移巣との鑑別をおこない,脊髄造影で脊髄・神経根の圧排症状を,血管造影—選択的造影,subtractionでの画像が提供する所見は治療法選択,治療効果の評価にも有効的に利用される.

SPINAL DYSRAPHISM—特に単純CTの診断的価値について

著者: 飛騨一利 ,   宮坂和男 ,   阿部悟 ,   小林延光 ,   阿部弘 ,   金田清志 ,   小柳知彦

ページ範囲:P.401 - P.406

 抄録:Spinal dysraphismが疑われ,腰仙部皮膚異常を示した31例(第1群)と,それを欠き神経因性膀胱,側彎症などを示した25例(第2群)につき,特に単純CTを行った54例を中心にその診断的価値を検討した.第1群の27例(93%)に脊椎発育異常,25例(86%)に神経軟部組織の異常を認めた.第2群では12例(48%)の脊椎発育異常と3例(12%)の脊髄発育異常を認めた.両群を通じ繋留脊髄が最も高頻度に見られた神経軟部組織異常であり,次いで脂肪腫,髄膜瘤(脊髄髄膜瘤),空洞症の順に頻度が高かった.第2群で脊髄円錐の位置を単純CTで調べたところ,全例良く同定された.その際,CT画像表示のウインドウ幅を狭くし,ウインドウ中心を下げることにより,脊髄の下垂状態が良く観察された.第2群の如き患者のスクリーニング検査法としても,単純CTは有効と考えられた.

脊髄空洞症におけるDelayed CTMの意義

著者: 辺見達彦 ,   井形高明 ,   正木国弘

ページ範囲:P.407 - P.413

 抄録:脊髄空洞症16例および脊髄空洞犬16頭,正常犬4頭を対象としdelayed CTMの空洞像と有用性ならびに空洞像描出メカニズムにつき検討した.Delayed CTMは臨床的にはmetrizamideによるmyelographyの直後,6時間後および24時間後,実験的にはカオリン注入後1週より12ヵ月目の2から18時間後に,それぞれ撮影した.臨床例では空洞像は中心型(10例),傍中心型(8例),左右複数型(3例),横断型(5例)に大別でき,同一症例でレベルにより2種の像を示す症例(5例)もあった.空洞像の出現はmyelography直後3例,6時間後10例,24時間後3例であったが,その殆んどがCT値の経時的変動を示し,実験犬でも空洞像描出ならびにmetrizamideの脊髄通過を示すCT値の変動が認められ,髄液一脊髄関門破綻による空洞像描出が示唆された.

Metrizamide CTにおけるfalse positiveとfalse negative画像について

著者: 本間隆夫 ,   八木和徳 ,   内山政二 ,   松本峰雄

ページ範囲:P.415 - P.423

 抄録:Metrizamide CTにおけるfalse negative画像は,①病変の形態上あるいは性質上,現在のscannerでは画像化しにくいと思われる硬膜内くも膜憩室,脊髄表面の動静脈奇形,tight filum terminale,syringomyeliaの一部と,②scan時の姿勢の変化で脊髄への圧迫が減弱,消失することのある頸椎症性脊髄症,頸椎椎間板ヘルニアなどの頸椎疾患でみられた.False positive画像は,①metrizamideが硬膜外腔や硬膜とくも膜の間に入ったとき,②metrizamideの濃度が高過ぎたときなどにみられた.このような偽画像の対策としては,metrizamide CTでの検索にあまり適さない疾患もあることを認識し,頸椎のscanはmyelographyと同じく腹臥位で行い,またmetrizamide CT単独で用いず常にmyelographyを併用して対照しつつ判断するのが適切である.

脊柱管の3次元立体表示

著者: 松倉登 ,   富原光雄 ,   田中清介

ページ範囲:P.425 - P.430

 抄録:CTスキャンは,骨関節の断面形状の把握のために有用であり,より明確な情報を与えてくれる場合が多く,特に病態を把握するための脊柱管の形状を示す有力な情報を提供する.今回,我々はCT像をもとに脊柱管の立体表示を試みたので報告する.
 CTフィルムを「自作」の画像解析方法を用いてA/D変換させた座標データを得た.これをパーソナル・コンピュータに入力して,データ・ファイルを作成し,これらのデータを再入力して,座標変換(アフィン変換)して,ディスプレイ上に表示させた.対象疾患は腰部椎間板ヘルニアであり,患部の脊柱,ヘルニア,硬膜管,神経根を3次元立体表示して,更にカラー・プリンターでハード・コピーをとることにより,それらの位置関係を表わした.また,脊柱管狭窄症では,単純のCT像とenhance CT像とを用いて罹患部位の脊柱管をトレースし,脊柱管内の空間を3次元立体表示することができた.

腰部神経障害のNeuroradiologyと手術所見の比較検討

著者: 風間昶 ,   金田清志 ,   佐藤栄修 ,   鐙邦芳 ,   倉上親治 ,   山元功 ,   橋本友幸 ,   中村一孝 ,   斉田通則 ,   武田直樹 ,   藤谷正紀 ,   樋口政法 ,   小熊忠教 ,   遠藤康治 ,   藤谷直樹 ,   宮坂和男

ページ範囲:P.431 - P.437

 抄録:腰椎部の馬尾神経や神経根障害にて,手術的治療を行った468例の診断にあたり,術前一術後の神経症状,神経放射線学的検査,手術的所見の比較から必要最小限の放射線学的検査は何であるのかを検討した.ヘルニアでは,myelographyを優先して高位を決め,CT像で局在とタイプを知ることが望ましい.椎間孔や椎間孔外脱出ヘルニアは,CTが最も有用である.脊柱管狭窄症では,myelographyで分類に応じた所見から判別は可能であるが,CTとの併用で脊柱管狭窄の病態診断が確実となる.分離辷り症は,通常の機能写と側面断層とmyelographyが有用で,CTのsagittal reconstructionで椎間孔内の狭窄病態をしるのが,さらに除圧術への指針となる.Failed back surgeryでは,myelographyとCTの両者による診断が必要で,ことにくも膜炎はmyelo-CTが重要である.その他の疾患は,myelographyで十分診断可能で,必要に応じてCTやその他の検査を併用すべきである.Discographyは,脊椎固定を併用する場合の固定範囲決定に有用である.

メトリザマイドミエログラフィーと断層撮影

著者: 大竹進 ,   東野修治 ,   原田征行 ,   近江洋一 ,   中野恵介

ページ範囲:P.439 - P.444

 抄録:通常のメトリザマイドミエログラフィーでは注入部位より離れた部位に造影剤を集めようとすると拡散のために造影効果が落ちる.また,レントゲン撮影にさいし胸椎部では種々の臓器と重なりswimmer's position,斜位撮影等の体位の工夫をしても鮮明な像が得られないことが多い.しかし,Sackettらが述べているようにミエログラフィー直後に断層撮影を行うミエロトモグラフィーでは,より鮮明な像を得ることができる.とくに脊柱靱帯骨化症のように病変部が多椎体にわたるときは,有用で,骨化と脊髄への圧迫を明らかにすることができた.また,広範囲の観察ができ,さらに内固定の金属の影響も少なく,CTミエログラフィーよりすぐれていると思われた.また本法では脊髄自体の観察も容易で,まれな例ではあるが,脊髄血管奇形,脊髄腫瘍による血管の異常なども明らかにすることができた.

転移性脊椎腫瘍のstage分類

著者: 山下和夫 ,   米延策雄 ,   冨士武史 ,   江原宗平 ,   藤原桂樹 ,   小野啓郎 ,   弥生恵司 ,   稲治英生

ページ範囲:P.445 - P.450

 抄録:骨転移の拡がりによる転移性脊椎腫瘍のstage分類はない.今回,我々は骨シンチグラフィーの異常集積のパターンにより,転移性脊椎腫瘍を次のようにstage分類した.early stage(stage I):脊椎のみ或は脊椎の他に肋骨に異常集積を認める.advanced stage(stage II):脊椎の他に骨盤,頭蓋,胸骨に異常集積を認める.advanced stage(stage III):脊椎の他に四肢骨,鎖骨,肩甲骨に異常集積を認める.
 乳癌の脊椎転移患者45名を対象として,stageと脊椎転移診断より3年目の生存率(3年生存率)との関係を求め,次の結果を得た.1.脊椎転移診断時に肺,胸膜,肝,脳に転移のあった患者においては,stageの如何に係わらず3年生存率は低かった.2.脊椎転移診断時に肺,胸膜,肝,脳に転移のなかった患者においては,stage間で3年生存率に有意差を認めた.従って,我々のstage分類は,転移性脊椎腫瘍に対する外科的治療の適応決定において,有力な手掛りとなると考えられる.

脊椎外科におけるMRIの有用性

著者: 星野雄一 ,   黒川高秀 ,   吉川宏起

ページ範囲:P.451 - P.459

 抄録:MRIは,軟部組織を造影剤なしで描出でき,自由な方向の断面像を得るのが容易であり,病理組織学的診断がある程度可能であり,しかもX線に依存しない点で,画期的な画像診断法である.このような特徴をもつMRIが脊椎外科領域でどのような診断的価値をもつかを,従来の画像診断法では診断できなかった疾患の診断,各種造影法の代りになり得るかの2点から検討した.
 静磁場強度0.35Tおよび1.5Tのいずれも超電導MRIを用い,脊椎・脊髄疾患患者52例を対象とし,主にSpin Echo法にて画像を得た.

脊椎・脊髄疾患におけるMRIの診断的価値について

著者: 李元浩 ,   永瀬譲史 ,   井上駿一 ,   有水昇 ,   植松貞夫 ,   守田文範

ページ範囲:P.461 - P.468

 抄録:脊椎・脊髄疾患90例にMRIを施行し,その診断的価値について描出能を中心に検討した.対象疾患では腫瘍,先天異常,椎間板ヘルニアが多い.使用装置は静磁場強度0.256Teslaの超電導MRIである.
 髄内腫瘍,脊髄空洞症では腫瘍やsyrinxが明瞭に描出され極めて有用であった.キアリ奇形やspinal dysraphismなどの先天奇形でも従来の検査法とほぼ同等の描出能が得られ,無侵襲という大きな利点もあり,極めて有用と考えられた.その他の疾患では椎間板ヘルニア,脊椎腫瘍,脊髄腫瘍(髄外型)などで良好な描出能が認められたが空間分解能が悪く詳細な所見が得られにくいため,現状では従来の検査法に及ばないと考えられた.

脊髄誘発電位による非骨傷性頸髄損傷高位診断

著者: 中野恵介 ,   東野修治 ,   原田征行 ,   近江洋一 ,   大竹進 ,   末綱太 ,   荒木徳一 ,   中村隆二郎

ページ範囲:P.469 - P.474

 抄録:X線写真上骨傷が明らかでない頸髄損傷15名において,上行性脊髄誘発電位を記録した.患者を回転ベッド上に腹臥位とし,透視下に頸椎および胸椎硬膜外腔に電極を挿入した.胸椎部の電極を刺激電極とし,頸椎部の電極を記録電極とし,各椎体および椎間板レベルで上行性脊髄誘発電位を記録した.脊髄誘発電位が陽性化する高位を損傷高位と判断すると,損傷高位はC3/4が9例,C4が1例,C4/5が1例,C5が1例,C5/6が3例であり,C3/4における損傷が60%と最も多く認められた.頸椎症性変化を有する患者においては,脊髄腔造影で認められた狭窄部位と脊髄誘発電位により診断した損傷高位が一致しない場合も認められた.機能的診断法としての脊髄誘発電位は,骨傷のない頸髄損傷の高位診断に極めて有用と考えられた.

脊髄誘発電位測定により手術適応または手術範囲を決定した症例について

著者: 田中弘美 ,   黒川高秀 ,   中村耕三 ,   星野雄一 ,   小林正之 ,   飯塚正

ページ範囲:P.475 - P.482

 抄録:脊柱管内の物理的因子により麻痺を生ずる疾患の診断,手術方法,除圧範囲を決定する際に臨床症状と形態学的な検査方法だけでは解決できない問題が少なくない.その際脊髄誘発電位測定を行い,その所見により手術適応または除圧範囲を決定して手術効果のえられた症例がある.これらの症例を検討してみると 1)脊髄障害の範囲の決定,2)クモ膜のう腫の責任高位の決定または,3)頸椎症性脊髄症における神経根症の合併の有無の判定に本検査法が有用であった.いずれも測定に先だって臨床所見を整理検討して問題点を明確にし,可能性のある障害高位をある範囲にあらかじめ限定できた症例であった.本検査法の結果の解釈には刺激,導出の各電極の位置を確認する必要があり,さらに術前の測定結果を術中除圧前に直視下で再現して確かめることが重要である.また本検査法は白質,灰白質の一部の活動電位しか測定できないことを認識する必要がある.

頸部脊髄症における体性感覚誘発電位についての検討

著者: 田中真一郎 ,   小野村敏信 ,   渡辺秀男 ,   小林一朗 ,   中島幹雄

ページ範囲:P.483 - P.491

 抄録:頸部脊髄症20例における,体性感覚誘発電位の潜時と臨床症状の術前後推移について検討した.各潜時は身長と相関し,各々の比較には身長1m当たりの補正値を用いる必要がある.身長補正値ではN9は正常域であったが,N11,N13,N20,P38は潜時の延長を認めた.頂点間潜時のうちN9-N13潜時の身長補正値(N9-N13/m)は頸部脊髄症の障害評価の一つの手段となりえる可能性がある.これはJOA scoreが改善するとともに短縮する傾向が認められた.N9-N13/mは正常値が2.3±0.2msec/mであり,これが3.0msec/m以上であればC4-5椎間板レベル以上に障害高位をもつmyelopathyと考えられた.
 P38潜時の身長補正値もJOA scoreの改善と対応する傾向があった,P38は振動覚障害の強い例では波形が不安定であり,回復とともに安定した波形が得られた.

脊髄誘発電位による脊髄障害の判定とその限界

著者: 原田吉雄 ,   熱田裕司 ,   今井充 ,   柴田稔 ,   岩原敏人 ,   竹光義治

ページ範囲:P.493 - P.503

 抄録:頸椎症性頸髄症25例,分節型頸椎後縦靱帯骨化症8例,頸椎椎間板ヘルニア5例,計38例の頸髄症患者の術前検査の一つとして脊髄刺激による上行性脊髄誘発電位と正中および尺骨神経刺激による所属髄節誘発電位を頸椎硬膜外背側において記録した.陽性電位の出現あるいは,急激な振幅低下を以て脊髄障害部位とした場合,脊髄刺激法上行性脊髄誘発電位単独による診断率は65.8%であった.正中及び尺骨神経刺激による所属髄節誘発電位には陽性化を認めなかったが第1,2電位の一方あるいは,両方の振幅の低下を示したものは47.4%あった.上行性脊髄誘発電位および所属髄節誘発電位の併用により診断率は,さらに上昇し脊髄および神経根機能を評価する電気生理学的検査法として従来の形態学的検査法を補いうる重要な検査法といえる.

誘発脊髄電位による頸部脊髄症の病巣診断

著者: 大熊哲夫 ,   里見和彦 ,   中邨裕一 ,   釼持和彦 ,   若野紘一 ,   平林洌

ページ範囲:P.505 - P.512

 抄録:頸部脊髄症の診断は神経学的所見とX線学的諸検査によりなされてきたが主病巣高位,病巣の広がりについての診断は困難な例が少なくない.そこで我々は42例の頸髄症患者の手術時除圧前に,脊髄ならびに正中神経を刺激して誘発される脊髄電位を黄色靱帯あるいは椎間板から記録した.導出波形をその変化の程度から3段階に分類したが,このGradingは日整会ADL点数とよく並行した.主病巣の明らかな単一椎間ヘルニア例などではヘルニア高位から主としてGrade 3の陽性電位が記録できた.従って頸部脊柱管狭窄症やOPLLなどの主病巣高位の診断が困難な症例でも限局性に陽性電位など電位変化の強くみられた高位を主病巣部と診断した.また動物実験により明らかにされている波形の起源を参考にすると,頸髄症でもその波形の変化から脊髄横断面での病巣の広がりがある程度推定できた.

馬尾性間歇跛行の電気生理学的解析

著者: 玉置哲也 ,   辻陽雄 ,   高野治雄 ,   高桑一彦 ,   野口哲夫

ページ範囲:P.513 - P.517

抄録:腰部脊柱管狭窄症の主症状である馬尾性間歇跛行の発生機序の解析を臨床神経生理学的手段を用いて試みた.まず,弛緩,肥厚した馬尾(redundant nerve root)の神経伝導速度を測定したところ明らかな低下が認められ,神経線維に組織学的な変化が及んでいることが示されていた.また下肢神経幹刺激による脊髄誘発電位を観察し,歩行により間歇跛行を惹起すると,誘発電位の振幅が低下すること,またそれが,分単位の短時間内に回復することを認めた.他方,下肢神経幹への持続電気刺激が一時的ではあるにせよ間歇跛行出現に至るまでの歩行距離を延長させる効果のあることも観察された.この効果は,いわゆるstructural factorに影響を及ぼすことにより発現したものでなく,血流の変化など動的な要素として考えられるもののなかでもmechanicalなものではない要因に影響を及ぼした結果であると判断した.これらの所見より,血流の変化が発現機序の要因となっていると結論した

脊髄誘発電位からみた選択的神経根ブロックの作用機序に関する検討

著者: 村上正純 ,   井上駿一 ,   中川武夫 ,   今井克己 ,   高田啓一 ,   出沢明 ,   喜多恒次

ページ範囲:P.519 - P.525

 抄録:選択的腰仙部神経根ブロック前後に下肢末梢神経刺激による分節性脊髄誘発電位(S-SpEP)を記録し,S-SpEPの振幅変化より神経根ブロックの作用機序及び障害根の病態生理に関し検討することを目的とした.[方法]臨床的には各種腰部疾患16例を対象とし,脊髄円錘部付近に挿入した双極電極より得られるS-SpEPの振幅をブロック前後で比較した.動物実験としては成猫12匹を用いた.[結果]臨床的には明らかに責任根と思われる根のブロックにより16例中10例にブロック後の振幅増大が見られ,健側刺激によるS-SpEPにも振幅変化が見られる例もあった.一方,正常根をブロックした動物実験では大半の例で振幅が減少した.[結語]障害神経根のブロックにより振幅が増大することは,障害根が障害部より中枢に対して何らかの機能的影響を及ぼしていることを示唆しており極めて興味深い.この点に関して考察を加えた.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら