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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)

CTMよりみた頸部脊髄症の治療予後

著者: 藤原桂樹1 米延策雄1 廣島和夫1 冨士武史1 江原宗平1 山下和夫1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.355 - P.361

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 抄録:CTMでの脊髄形態より頸部脊髄症の治療予後を予測できるか否か,40例のCTM像を用いて検討した.脊髄形態を表わす指標として脊髄扁平率,面積を計測し,同時に脊髄の圧迫形態を(Ⅰ)広範,(Ⅱ)中央,(Ⅲ)片側の3型に分類した.最大圧迫高位の扁平率は術前,術後の神経症状(日整会頸髄症判定規準による),改善率(平林による)と相関しなかった.脊髄面積は術後神経症状,改善率と有意な相関を認めた.神経症状の回復不良例における脊髄面積は正常のほぼ50%以下であった.圧迫形態では,広範圧迫型が他の2型に比べて有意に脊髄面積が減少し術後成績も不良であった.罹病期間,脊柱管狭窄の有無も治療予後に影響する因子であった.非圧迫高位であるC3椎体レベルの脊髄面積は,最大圧迫高位と同様,術後の神経症状,改善率と相関した.罹患高位での造影が不良で正確な計測ができない症例でも非圧迫高位であるC3レベルでの脊髄面積を計測すれば治療予後を予測することが可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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