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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)

脊椎外傷のCT像—特に単純X線像との比較

著者: 塚原茂1 大谷清1 柴崎啓一1 伊部茂晴1 中井定明1 藤井英治1

所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科

ページ範囲:P.383 - P.390

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 抄録:神経障害を合併した脊椎損傷75例のCT像を分析し,従来のX線画像診断,特に単純X線像と比較してその利点と問題点とを検討し,以下の知見を得た.
 1)CT像は,脊椎後方要素,脊柱管の狭窄形態の診断に優れていた.2)粉砕骨折27例では,椎弓骨折あるいは椎弓根骨折の合併率は78%で,このうちの29%は後方よりの脊柱管狭窄の原因であった.また,椎間関節の離開は59%にみられ,両者をあわせると不安定型粉砕骨折は93%の高率にみられた.3)脱臼・脱臼骨折30例では,椎弓骨折または椎弓根骨折の合併率は60%で,このうちの56%は脊柱管狭窄の原因であった.4)骨傷の明らかでない13例中4例は外傷性椎間板脱出で,このうち2例は単純CT像のCT値により診断できた.5)脊椎損傷にCTを行う場合は,第1に単純CTを選択すべきで,CTMは,骨傷の明らかでない例や骨傷の軽微な例で,しかも不全麻痺例によい適応である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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