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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)

転移性脊椎腫瘍のstage分類

著者: 山下和夫1 米延策雄1 冨士武史1 江原宗平1 藤原桂樹1 小野啓郎1 弥生恵司1 稲治英生2

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2大阪大学医学部第二外科学教室

ページ範囲:P.445 - P.450

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 抄録:骨転移の拡がりによる転移性脊椎腫瘍のstage分類はない.今回,我々は骨シンチグラフィーの異常集積のパターンにより,転移性脊椎腫瘍を次のようにstage分類した.early stage(stage I):脊椎のみ或は脊椎の他に肋骨に異常集積を認める.advanced stage(stage II):脊椎の他に骨盤,頭蓋,胸骨に異常集積を認める.advanced stage(stage III):脊椎の他に四肢骨,鎖骨,肩甲骨に異常集積を認める.
 乳癌の脊椎転移患者45名を対象として,stageと脊椎転移診断より3年目の生存率(3年生存率)との関係を求め,次の結果を得た.1.脊椎転移診断時に肺,胸膜,肝,脳に転移のあった患者においては,stageの如何に係わらず3年生存率は低かった.2.脊椎転移診断時に肺,胸膜,肝,脳に転移のなかった患者においては,stage間で3年生存率に有意差を認めた.従って,我々のstage分類は,転移性脊椎腫瘍に対する外科的治療の適応決定において,有力な手掛りとなると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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