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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)

脊髄誘発電位による非骨傷性頸髄損傷高位診断

著者: 中野恵介1 東野修治1 原田征行1 近江洋一1 大竹進1 末綱太1 荒木徳一1 中村隆二郎1

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.469 - P.474

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 抄録:X線写真上骨傷が明らかでない頸髄損傷15名において,上行性脊髄誘発電位を記録した.患者を回転ベッド上に腹臥位とし,透視下に頸椎および胸椎硬膜外腔に電極を挿入した.胸椎部の電極を刺激電極とし,頸椎部の電極を記録電極とし,各椎体および椎間板レベルで上行性脊髄誘発電位を記録した.脊髄誘発電位が陽性化する高位を損傷高位と判断すると,損傷高位はC3/4が9例,C4が1例,C4/5が1例,C5が1例,C5/6が3例であり,C3/4における損傷が60%と最も多く認められた.頸椎症性変化を有する患者においては,脊髄腔造影で認められた狭窄部位と脊髄誘発電位により診断した損傷高位が一致しない場合も認められた.機能的診断法としての脊髄誘発電位は,骨傷のない頸髄損傷の高位診断に極めて有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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