icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)

脊髄誘発電位測定により手術適応または手術範囲を決定した症例について

著者: 田中弘美13 黒川高秀2 中村耕三13 星野雄一2 小林正之2 飯塚正2

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院整形外科 2東京大学医学部整形外科 3現:埼玉医科大学総合医療センター整形外科

ページ範囲:P.475 - P.482

文献購入ページに移動
 抄録:脊柱管内の物理的因子により麻痺を生ずる疾患の診断,手術方法,除圧範囲を決定する際に臨床症状と形態学的な検査方法だけでは解決できない問題が少なくない.その際脊髄誘発電位測定を行い,その所見により手術適応または除圧範囲を決定して手術効果のえられた症例がある.これらの症例を検討してみると 1)脊髄障害の範囲の決定,2)クモ膜のう腫の責任高位の決定または,3)頸椎症性脊髄症における神経根症の合併の有無の判定に本検査法が有用であった.いずれも測定に先だって臨床所見を整理検討して問題点を明確にし,可能性のある障害高位をある範囲にあらかじめ限定できた症例であった.本検査法の結果の解釈には刺激,導出の各電極の位置を確認する必要があり,さらに術前の測定結果を術中除圧前に直視下で再現して確かめることが重要である.また本検査法は白質,灰白質の一部の活動電位しか測定できないことを認識する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら