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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻4号

1986年04月発行

文献概要

特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)

誘発脊髄電位による頸部脊髄症の病巣診断

著者: 大熊哲夫1 里見和彦1 中邨裕一1 釼持和彦1 若野紘一1 平林洌1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.505 - P.512

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 抄録:頸部脊髄症の診断は神経学的所見とX線学的諸検査によりなされてきたが主病巣高位,病巣の広がりについての診断は困難な例が少なくない.そこで我々は42例の頸髄症患者の手術時除圧前に,脊髄ならびに正中神経を刺激して誘発される脊髄電位を黄色靱帯あるいは椎間板から記録した.導出波形をその変化の程度から3段階に分類したが,このGradingは日整会ADL点数とよく並行した.主病巣の明らかな単一椎間ヘルニア例などではヘルニア高位から主としてGrade 3の陽性電位が記録できた.従って頸部脊柱管狭窄症やOPLLなどの主病巣高位の診断が困難な症例でも限局性に陽性電位など電位変化の強くみられた高位を主病巣部と診断した.また動物実験により明らかにされている波形の起源を参考にすると,頸髄症でもその波形の変化から脊髄横断面での病巣の広がりがある程度推定できた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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