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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻5号

1986年05月発行

文献概要

論述

最近の化膿性脊椎炎について—10年間の臨床経験から

著者: 宮本達也1 大谷清1 柴崎啓一1 中井定明1

所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科

ページ範囲:P.531 - P.539

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 抄録:最近10年間に経験した化膿性脊椎炎37例の,臨床像,診断と治療を検討した.性別は3:2で男性に多く,平均年齢は50歳で,最近の傾向として男女比の均等化,患者の高齢化を認め,以前の10年間と比較して,患者数が約2倍に,結核性脊椎炎との比率が約4倍に増加した,罹患高位は約70%が腰椎以下であり,初診時診断は15例が結核性脊椎炎であった.慢性経過例が多いが,約50%に初発時,発熱と疼痛を認めた.先行感染症は尿路系感染症が最も多かった.疼痛以外に腹部症状の愁訴が多く,腹部疾患との鑑別が重要である.対麻痺と尿閉を各1例に認めた.X線像で椎体の破壊と骨新生の混在するものが多く,結核性脊椎炎との鑑別が困難であった.
 初期に適切な化学療法を行えば,約3ヵ月間の保存的治療で治癒した.陳旧例や確定診断がつかないものなど,約70%に手術を行い経過良好であったが,再発防止のため長期間の管理が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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