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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻5号

1986年05月発行

文献概要

論述

悪性軟部腫瘍の肺転移の治療

著者: 姥山勇二1 後藤守1 山脇慎也1 井須和男1 加賀美芳和2 平田保3 高瀬浩3 平井靖夫3 本間仗价3

所属機関: 1国立札幌病院整形外科 2国立札幌病院放射線科 3国立南札幌病院外科

ページ範囲:P.549 - P.558

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 抄録:現在悪性軟部腫瘍では,肺転移が出現すると2年以上生存することが難しい.我々が経験した80例の肺転移例中開胸手術を行った症例は5例である.肺転移が直接死因となった65例のうち肺転移後2年以上生存した症例は8例(12.3%)であった.開胸手術5例中4例が2年以上生存しており,開胸手術例の転移後の生存期間は非手術例のそれよりも長くなっている.しかし開胸手術にて肉眼的に病巣がすべて除去されても,新たに出現する肺転移巣の発育阻止の治療をひきつづき行わなければ,また肺転移が出現し開胸手術は単なる延命効果に終わってしまう.外科的治療の適応がない場合には,限局した大きな病巣に放射線治療を行い腫瘍の数や大きさを減らすことによって延命効果が期待できる.肺転移の治療の基本は化学療法であるが,病状に応じて手術治療や放射線治療を補助的手段として積極的に活用することが,治療成績の向上に必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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