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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻5号

1986年05月発行

文献概要

論述

上腕骨小頭骨折の治療経験

著者: 西島雄一郎1 山崎安朗1 東田紀彦1

所属機関: 1金沢医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.577 - P.583

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 抄録:上腕骨小頭骨折を8例経験した.年齢は15〜89歳で,骨端線閉鎖後の青年および老年である.Granthamの分類で骨折型を分類すると,Type Iはなく,Type II A 6例,Type III B 2例であった.Type III Bの1例を除いて全例,fat pad sign陽性であった.治療は転位のきわめて軽度な1例を除いて,7例に観血的整復固定術を行った.固定材料はKirschner鋼線か,AO microscrewである.直接検診6例,電話での質問2例で,予後を追跡した.予後追跡期間は最短1年から最長,5年3ヵ月である.予後調査時,肘関節痛はないか,あっても軽度で,関節可動域は軽度の伸展障害を残すものの,著しい制限を示す例はなかった.予後成績は優3例,良5例でありほぼ満足すべき結果を得た.本症の診断にはfat pad signは有用である.治療について,一部で,骨片の摘出術が推奨されているが,観血的整復固定術でも良好な予後が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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