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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻5号

1986年05月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨頸部骨折に対するケタミン・ジアゼパム持続点滴麻酔法の使用経験

著者: 渡部圭介1 山田総平1 中野謙二1 細井哲1 東明彦2

所属機関: 1山田赤十字病院整形外科 2尾鷲総合病院整形外科

ページ範囲:P.625 - P.628

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 抄録:老人の大腿骨頸部骨折の際に一般に問題となってくる事は,より侵襲の少ない手術法の選択とともに麻酔法の選択である.今回,我々はケタミン・ジアゼパム持続点滴麻酔法を19症例に使用して良好な結果を得,心疾患等のhign risk患者へも十分利用できるものと確信した.麻酔導入として,0.1%ケタミン溶液500ml中にジアゼパムを10mgから20mg混入し,点滴ポンプにて持続点滴を施行する.本麻酔法の特徴として呼吸抑制はほぼ皆無で,術中・術後共に良好な自発呼吸を認め,前投薬処方後舌根沈下を観た1例を除き,気管内挿管を必要としなかった.覚醒遷延を2例10.5%認めるも,ケタミンの主たる副作用である神経症状はジアゼパムの併用にて解消され1例にも認めなかった.術後24時間後に95歳の1例に急性心筋梗塞の発症を認めたが,ケタミンの代謝等を考慮すると直接的な関連性は少ないものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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