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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻6号

1986年06月発行

文献概要

論述

小児脊髄空洞症の診断と病態像

著者: 井須豊彦1 岩崎喜信1 秋野実1 村井宏1 阿部弘1 田代邦雄2 宮坂和男3

所属機関: 1北海道大学医学部脳神経外科 2北海道大学医学部神経内科部門 3北海道大学医学部放射線科

ページ範囲:P.642 - P.649

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 抄録:小児脊髄空洞症は稀なものであり,その発症様式並びに成因に関しては,成人例とは異なるものである.今回,我々は小児脊髄空洞症の特徴的臨床像を述べ,小児脊髄空洞症の診断にMRIが非常に有用であることを強調したい.〈対象及び方法〉対象はCT並びにMRIにて診断された15歳以下の小児脊髄空洞症であり,19例中14例は脊椎披裂(8例はChiari奇形とmeningomyeloceleを,6例は脂肪腫を合併)を合併しており,Chiari奇形のみの合併は4例,特発例は1例であった.MRIは常伝導型の東芝MRT 15A(1500 Gaus)を使用した.〈結果及び結語〉①MRIは非侵襲的な検査法であり,小児脊髄空洞症の診断には非常に有用であった.②小児脊髄空洞症は側彎症,内反凹足等の骨格異常にて発症することが多く(本報告例の60%),小児脊髄空洞症の特徴的臨床像と考えられた.③脊髄空洞症の成因として,Gardnerの説のみでは,説明が困難な症例も存在した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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