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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻6号

1986年06月発行

文献概要

臨床経験

頸椎椎弓切除後に発生したpseudomeningoceleについて—typeの異なった2自験例を中心に

著者: 吉田宗人1 柴崎啓一1 大谷清1

所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科

ページ範囲:P.713 - P.720

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 抄録:Postoperative pseudomeningoceleは,椎弓切除の合併症の1つであるが,頸椎に発症した報告は少ない.自験例2例と文献例を合わせて検討した.症例Iは,頸椎OPLLで,椎弓切除を受け,約2年3カ月後に脊髄症の増悪をみた.症例IIは,頸髄腫瘍の疑いで椎弓切除を受け,術後頑固な頸部痛,頭痛を訴えた,文献例を含め,臨床像を検討すると,硬膜刺激症状としての頭痛,失神発作が多く,又,術後,原因不明の発熱が髄流貯留を疑わせしめる所見といえた.診断には,CTが有用であった.Cystは,茎の有無により2型に分類できた.手術法も異なり,type IIはcystの切除をするが,type Iは前壁のクモ膜を切除し,cystを縫縮した.
 頸椎後方手術後の悪化例を少なからず経験するが,こうした原因の一つとして,硬膜欠損があれば本疾患は稀ではないと思われ,注意深い経過観察と適切な診断が,術後成績の向上につながる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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