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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻6号

1986年06月発行

文献概要

臨床経験

下垂足にて発症,他覚的に知覚障害を認めなかった胸腰椎移行部骨化疾患の3症例

著者: 井上喜久男1 見松健太郎2 榊原健彦3 原田敦4 牧山友三郎5 岡山直樹5

所属機関: 1豊橋市民病院整形外科 2名古屋大学整形外科 3半田市民病院整形外科 4高山久美愛病院整形外科 5国立名古屋病院整形外科

ページ範囲:P.731 - P.735

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 抄録:下垂足を主症状とし,初診時においては知覚障害を欠くといった,まれな臨床像を呈した胸腰椎移行部骨化疾患の3症例を経験し,手術により症状の改善を得た.原疾患は,後縦靱帯骨化症,後方Kantenabtrennung,後縦靱帯骨化を伴う椎間板ヘルニアとそれぞれ異なっていたが,いずれの症例においても単純X線像にて胸腰椎移行部における局所の後彎形成がみられ,脊髄造影にては不完全ブロックであった,手術は2例は前方侵入にて圧迫の除去,後彎の矯正を行い,1例は後方侵入にて圧迫の除去を行い,いずれも良好な成績を得ている.この臨床症状の病因としては,①胸腰椎移行部における局所の後彎と骨性隆起とにより脊髄の前角のみ圧迫障害され,後角が障害をのがれ得た,②脊髄の前根後根付着部の相違,つまり知覚髄節の方が運動髄節より頭側に位置するため圧迫をまぬがれ,運動障害のみ出現した,といった2つの可能性が推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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