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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻7号

1986年07月発行

文献概要

論述

両側変形性膝関節症における片側人工膝関節置換の非手術側膝関節に及ぼす影響について

著者: 黒沢秀樹1 佐々木鉄人1 八木知徳1 門司順一1 安田和則1 三浪三千男2 柘植洋2 菅野吉一2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2北海道整形外科記念病院

ページ範囲:P.761 - P.768

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 抄録:両側変形性膝関節症の一側に人工膝関節置換を行い6ヵ月以上経過した37例の反対側膝関節について,手術後の臨床症状の改善およびX線学的変化に関して調査し検討した.疼痛,三大学試案膝関節機能評価,および下肢機能軸の偏位で,術前にくらべ有意の改善がみられたが,膝関節可動域や大腿骨脛骨角(FTA)には有意差はなかった.X線学的病期分類では,24%が改善したが,これに関与すると思われる術後経過観察期間,肥満度,および手術側膝関節機能との有意の相関はなかった.また,X線学的変化と臨床症状との間にも有意の相関はなかった.片側人工膝関節置換後6ヵ月および8ヵ月経過して,反対側膝関節にX線学的にも臨床的にも改善のみられた2症例を提示した.この膝関節には豊富に軟骨が再生しており,組織学的に線維軟骨であった.以上のことより,片側人工膝関節置換後の反対側膝関節については,慎重に経過観察する必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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