icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻7号

1986年07月発行

文献概要

論述

先天性脊柱変形に合併した尿路生殖器奇形の検討

著者: 山元功1 金田清志1 佐藤栄修1 鐙邦芳1 倉上親治1 風間昶1 橋本友幸1 越前谷達紀2 後藤敏明3 小柳知彦3

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2国立西札幌病院整形外科 3北海道大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.777 - P.783

文献購入ページに移動
 抄録:先天性脊柱変形症例は他臓器系の奇形をしばしば合併する.その中でも同じ中胚葉起源の尿路生殖器奇形の合併率は高いとされるが,報告は少ない.今回,先天性脊柱変形70症例について尿路生殖器奇形の合併を調査した.
 尿路生殖器奇形は14例,20%にみられ,諸家の報告とほぼ一致した.また脊椎奇形を伴わない一般剖検報告よりはるかに高率であった.尿路系奇形を合併した脊椎奇形は,その奇形型別では頻度に差がなく,部位別では頸椎,頸胸椎部で胸腰椎部よりも頻度が高かったが,他部位間で差はなかった.合併した尿路奇形は9例II奇形で融合腎・腎偏位が7例と最も多く,その中で稀な交差性融合腎が4例にみられた.性器奇形は6例8奇形で,停留睾丸が多かった.脊椎前方侵入法による尿路系合併症の報告があり,特に本症のように尿路系奇形合併の頻度が高い場合にはその危険性が大きい.本症の手術治療に際し,術前に尿路系の検索を行うことは必須である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら