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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻7号

1986年07月発行

文献概要

シンポジウム 頸椎多数回手術例の検討

頸椎多数回手術例の検討—脳神経外科の立場から

著者: 長島親男1 窪田惺1

所属機関: 1埼玉医科大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.805 - P.819

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 抄録:頸椎多数回手術例26例(9〜65歳,18例男性,8例女性)を脳神経外科の立場から検討し,次の結果を得た.[1]多数回手術を要した因子を列挙すると,診断の不適,手術方法の不適など多数回手術を回避できたと考えられたもの―26例中10例(39%),予測できない離れた部位での後縦靱帯,黄色靱帯などの骨化,脊柱管拡大術後の狭窄,髄内腫瘍の再発など,多数回手術を回避できない病態と考えられたもの―26例中12例(47%),術前から意図的に2段階手術を行わねばならなかったもの―26例中4例(14%)であった.[2]術後コバルト照射をうけ癒着の強かった高位頸髄髄内腫瘍(ependymoma)再発例でも,多数回手術で腫瘍全摘出に成功し手術適応のあることを知った.[3]患者や家族とのよい関係を維持するためにも,初回手術の術前に「多数回手術」となる可能性もあり得ることをよく説明し,相互の理解を深めておくことが,頸椎手術例の治療成績を向上させる上で大切なことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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