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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻7号

1986年07月発行

文献概要

臨床経験

骨外腫瘤を形成した肋骨好酸球性肉芽腫

著者: 浅野昌育1 杉浦勲2

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科学教室 2名古屋大学分院整形外科学教室

ページ範囲:P.843 - P.846

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 抄録:組織球の異常増殖であるとされているhistiocytosis Xのうち骨のみに病変をもつ好酸球性肉芽腫の扁平骨でのX線像は通常限局性のosteolysisを呈することが多い.筆者らは肋骨に発生した好酸球性肉芽腫で著明な腫瘤を形成した稀な症例を経験したので報告する.
 症例は3歳の女児.主訴は右肩甲下部の疼痛と母指頭大の腫瘤.単純X線像では右第9肋骨の胸椎に接した部分に骨破壊像を認め,その部位に一致してほぼ円形の腫瘤像がみられた.CT scanでも同部に胸腔内に突出する球形の陰影を確認した.検査ではCRP 4.5以外異常なく原発を特定できずopen biopsyを行った.組織像はリンパ球,組織球,好酸球より構成される肉芽腫,eosinophilic granulomaの像であった.ステロイド療法を行ったが無効のため放射線照射を800rad行ったところ容易に腫瘤像は消失し右第9肋骨も再構築された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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