icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻8号

1986年08月発行

文献概要

論述

脊髄・馬尾神経症状で発症した脊柱管内悪性リンパ腫

著者: 増田達之1 冨士武史1 米延策雄1 藤原桂樹1 山下和夫1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.860 - P.869

文献購入ページに移動
 抄録:悪性リンパ腫の硬膜外転移は数多く報告されているが,脊髄・馬尾神経症状を初発症状とする悪性リンパ腫の報告は少ない.今回我々は脊髄馬尾神経症状を初発とした5例の悪性リンパ腫を経験し,その臨床症状,検査所見,治療について検討した結果,以下の知見をえた.
 ①中高年者で急速に進行する脊髄・馬尾神経症状を呈する場合は脊柱管内悪性リンパ腫も考慮に入れる必要がある.②本症による神経症状は一時的な改善を示すことがある.③診断には脊髄造影・CTのみならず67Ga腫瘍シンチグラムが特に有用であった.④治療は,確定診断がつかずに脊髄症状が悪化しつつある状態では,確定診断を得る目的も含めて手術的除圧が必要となるが,本症の治療の基本は化学療法と放射線療法であることを忘れてはいけない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら