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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻8号

1986年08月発行

文献概要

論述

正中神経掌側枝単独損傷の治療経験

著者: 高橋徹也1 荻野利彦1 三浪明男1 福田公孝1 中里哲夫1 加藤博之1 佐久間隆1 大西信樹1 薄井正道2 菅原誠3 小林三昌4

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科教室 2札幌医科大学整形外科 3札幌逓信病院整形外科 4国立療養所札幌南病院整形外科

ページ範囲:P.903 - P.908

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 抄録:[目的]正中神経掌側枝単独損傷で有痛性神経腫を形成したものについて,その臨床像と手術的治療の成績を検討した.[対象と方法]最近の7年間に経験した7例7手に対し,受傷原因,創瘢痕,合併損傷,初診時の臨床症状を調べた.手術は神経切除3例(断端の骨内包埋を包む),神経縫合1例,神経剥離1例の5例に施行し,術前後の症状の推移を検討した.[結果]受傷原因は外傷と手術操作によるものに大別され,創瘢痕は手関節掌側で長掌筋腱(PL)の橈側に及ぶのが特徴であった.合併損傷はPL断裂を2例,正中神経部分損傷を1例に認めた.臨床症状では全例がparesthesiaと疼痛による患手の機能障害を有していた.手術後は全例症状の軽快が得られ,神経縫合術が最も良好な結果であった.神経切除による知覚脱出は手の機能的予後に影響を与えなかった.[結語]有痛性神経腫の治療法に関しては未だ議論は多いが,本症においては可能ならば顕微鏡下に神経縫合を試みる価値は高い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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