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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻8号

1986年08月発行

文献概要

論述

足多趾症—4代9名に発症した1家系報告とその遺伝的考察

著者: 村上恒二1 村岡博1 室積正人1 渡捷一1 生田義和1

所属機関: 1広島大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.917 - P.921

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 抄録:4世代にわたり同様の足趾奇形が多発し,家系内発生と考えられた稀な1例を経験したので報告するとともに,広島大学整形外科における足多趾手術例について家系内発生頻度や他奇形との関連性などを検討した.症例は1歳4ヵ月の男児であり,右足第1趾および第5趾に多趾がみられ,左足では第2,3趾の合趾症がみられた.本家系においては,4世代9人にわたり第1趾多趾の多発がみられ,遺伝形式は常染色体優性遺伝によるものと考えられた.本例から足多趾における遺伝性が示唆されるため,当科における足多趾手術例98例129足について軸性別に検討を加えた.足多趾の発生頻度は後軸性多趾が圧倒的多数を占めていたが,家系内発生率や手の奇形の合併率については前軸性多趾に最も高い頻度であり,後軸性多趾に最も低率であった.自験例の検討から,前軸性多趾においては濃厚なる遺伝要因の存在が考慮されるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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