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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻8号

1986年08月発行

文献概要

臨床経験

広範な仙骨破壊を呈したMyxopapillary ependymomaの1例

著者: 野島孝之1 井上和秋1 金田清志2 佐々木鉄人2 松野丈夫2 八木知徳2 佐藤栄修2 倉上親治2

所属機関: 1北海道大学付属病院病理部 2北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.947 - P.950

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 抄録:仙骨に発生する腫瘍としては,脊索腫や軟骨肉腫が多い.今回我々は,25歳女性の仙骨に広範な骨破壊をきたし,生検時脊索腫を疑ったmyxopapillary ependymomaの1例を経験したので,脊索腫と軟骨肉腫とのX線学的,組織学的鑑別について考察を加えて報告した.Myxopapillary ependymomaは良性腫瘍で,本例の如く仙骨を広範に破壊した報告は,文献上みられなかった.初発症状出現より3〜4年の経過が,このような破壊を示したと思われる.仙骨を強く破壊するmyxopapillary ependymomaは,X線学的には溶骨性変化が主体で,蜂窩状構造や異常石灰沈着像を示さないのが特徴と思われた.また組織学的には,特殊染色PAP法にて,S-100蛋白陽性,ケラチン陰性,GFAP陽性を示し,S-100蛋白陽性,ケラチン陽性を示す脊索腫やS-100蛋白陽性,ケラチン,GFAPともに陰性を示す軟骨肉腫と染色態度により鑑別が可能と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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