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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻8号

1986年08月発行

臨床経験

前立腺炎によると思われる股関節痛を主訴とした3症例の検討

著者: 水井伸子1 倉田和夫1 長部敬一1 一橋一郎1 武田正雄2

所属機関: 1新潟県厚生連中央綜合病院整形外科 2新潟県厚生連中央綜合病院泌尿器科

ページ範囲:P.951 - P.954

文献概要

 抄録:股関節痛を訴える症例のなかには股関節病変が確認できず,従って明確な治療方針をたて難い症例がある.私たちはこのような症例のなかで,同側の前立腺炎を証明しその治療を行うことによって,股関節痛が軽快した3症例を経験したので報告する.
 3症例とも誘因なく片側股関節痛が出現し,臨床所見はいずれも股関節自体の炎症性病態を疑わせた.しかし炎症性病変の局在や原因を積極的に裏付ける検査所見は認められなかった.しかし,いずれも股関節痛と同側の前立腺炎を併発していることが発見され,股関節痛は前立腺炎に対する治療により軽快した.この事実から,これらの症例における股関節痛は前立腺炎による関連痛であると推定された.このように男性が訴える股関節痛の原因や病変の局在を把握し難い場合には,前立腺炎の存在も考慮してみるべきである点を強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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