文献詳細
臨床経験
前立腺炎によると思われる股関節痛を主訴とした3症例の検討
著者: 水井伸子1 倉田和夫1 長部敬一1 一橋一郎1 武田正雄2
所属機関: 1新潟県厚生連中央綜合病院整形外科 2新潟県厚生連中央綜合病院泌尿器科
ページ範囲:P.951 - P.954
文献概要
3症例とも誘因なく片側股関節痛が出現し,臨床所見はいずれも股関節自体の炎症性病態を疑わせた.しかし炎症性病変の局在や原因を積極的に裏付ける検査所見は認められなかった.しかし,いずれも股関節痛と同側の前立腺炎を併発していることが発見され,股関節痛は前立腺炎に対する治療により軽快した.この事実から,これらの症例における股関節痛は前立腺炎による関連痛であると推定された.このように男性が訴える股関節痛の原因や病変の局在を把握し難い場合には,前立腺炎の存在も考慮してみるべきである点を強調したい.
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