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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻8号

1986年08月発行

文献概要

臨床経験

Membranous lipodystrophyの1例

著者: 佐藤啓三1 上畑元宏1 竹内一喜1 藤田久夫1 西村貞男2

所属機関: 1兵庫県立加古川病院整形外科 2松本病院整形外科

ページ範囲:P.955 - P.959

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 抄録:Membranous lipodystrophyは,X線像で四肢長管骨に骨萎縮と多発性骨透亮像を示し,繰り返す病的骨折と,進行性の精神神経症状を呈することを特徴としている.今回われわれは,本症の1例を経験し,骨生検を行った.症例は33歳女性で,両股,両足関節痛を主訴に来院,多幸と知能低下,四肢に特徴的X線所見を認めた.骨生検にて,病巣骨髄は脂肪様組織で埋まり,その病理組織標本より膜様構造物を認めmembranous lipodystrophyと診断された.本症は,常染色体劣性遺伝による脂質代謝異常が病因とされるが,詳細は不明である.病的骨折に対し病巣掻爬・骨移植や外固定は効果的であるが,確立された治療法はない.精神荒廃に伴い,注意深い経過観察と全身管理が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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