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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻9号

1986年09月発行

文献概要

論述

烏口上腕靱帯とrotator intervalの機能と臨床について

著者: 尾崎二郎1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.993 - P.999

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 抄録:烏口上腕靱帯(C.-H. lig.)は烏口突起基部外縁と上腕骨大・小結節とを結ぶ小さな靱帯であり,rotator intervalは棘上筋腱と肩甲下筋腱の間のすきまであるが,両者の役割はよく知られていない.本論文の目的は両者の機能と病態を明らかにすることにある.機能的にはrotator intervalは肩の可動性を高め,C.-H. lig.はこれを制御する役割を担い両者は腱板の構成体の一つとして認識することができた.C.-H. ligとrotator intervalの損傷は自験手術例27例28関節を検討すると,C.-H. ligの剥脱や弛緩によってrotator intervalが哆開し肩関節の不安定を惹起したものと,C.-H. ligが瘢痕化しrotator intervalに瘢痕様組織が介在し拘縮を生じたものに大別できた.前者は若年男性に後者は中年以降に好発し,ともに外傷などを契機に発生している.C.-H. lig.とrotator intervalは肩のdynamic stabilityに深く関与しており,臨床的にも肩関節の抵抗減弱部位の一つとして認識できることが明らかとなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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