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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻9号

1986年09月発行

文献概要

論述

フックプレートによる大腿骨頸部内側転位骨折の治療

著者: 山野慶樹1 難波泰樹1 日野洋介1 長谷川徹1 伊勢真樹1

所属機関: 1川崎医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1009 - P.1018

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 抄録:大腿骨頸部内側転位骨折に新しくhook plateを考案し,臨床例に応用し良好な成績を得た.このhook plateは骨頭部を2本のhookで把持し,plate部を頸部から大転子部にスクリュー固定する方法で,biomechanicalに回旋,剪断,曲げ応力に優れており,superiorおよびinferior retinacular arteryやmetaphyseal arteryを障害せず,頸部のendosteal bone healingに有利と考えられた.また術中に骨頭から出血の有無を検索したところ,X線上から判定したGarden III,IV Stageと必ずしも一致しなかった.骨頭から出血のみられる群の多くは10週以内に骨癒合が起こったが,初期のplateを使用し固定性の悪かった2例では骨頭出血のみられない骨折の平均骨癒合期間より骨癒合が遅れた.この骨折には正確な整復と種々の応力に対する強固な固定が重要で,特に骨頭血行の不良な例ではこれが長期にわたって必要であるが,この点hook plateは固定性が良好で骨髄内骨再生を障害せず,有用といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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