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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻9号

1986年09月発行

臨床経験

胸髄硬膜から発生した間葉性軟骨肉腫の1例

著者: 鈴木勝美1 舘靖彦1 須藤啓広1 西村龍彩1 塩川靖夫1 荻原義郎1 村島隆文2

所属機関: 1三重大学医学部整形外科学教室 2国立療養所三重病院整形外科

ページ範囲:P.1043 - P.1046

文献概要

 抄録:胸髄硬膜より発生した間葉性軟骨肉腫の1例を経験したので報告する.症例は23歳の女性であり,昭和57年5月に第3胸椎高位で腫瘍摘出術のみが行われた.その後,両下肢麻痺に対して機能訓練を行っていたが,2年後に再発し昭和59年6月に再手術が行われた.病理組織学的には原発腫瘍・再発腫瘍ともに胸髄硬膜より発生した間葉性軟骨肉腫と診断された.脊髄より悪性腫瘍が発生したときには解剖学的に外科的根治術が困難であり,腫瘍摘出術のみでは本症例のように再発する可能性が高いので,再手術後は局所的根治術のために5000radsの放射線療法とRosenのT-10Bプロトコールに準じた化学療法が行われ,現在再手術後1年4ヵ月(化学療法終了後6ヵ月)で無病状態である.しかしながら,間葉性軟骨肉腫に対して今回行った放射線療法および化学療法の有用性を評価するにはさらに長い経過観察が必要であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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