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臨床経験
文献概要
抄録:長幹骨の表在性に発生する骨肉腫としてparostealとperiosteal osteosarcomaがあり,諸家の報告がある.近年,WoldとUnniは髄内発生の骨肉腫と同様の組織像を呈して予後不良な骨表面発生の骨肉腫9例の臨床病理学的観察を行い,high-grade surface osteosarcomaなる疾患概念を提唱した.我々は,肉眼,組織学的検索で骨髄内病変を認めず,骨近傍より発生したと考えられるが,組織像は骨髄内発生の骨肉腫と鑑別し得ず,予後も不良な症例を経験した.この例は,Woldらが報告した症例と同様な性格を持つ腫瘍と考えられ,更に骨肉腫には稀なリンパ節転移を初診時より有していた.我々が経験した20歳男子の右大腿骨骨幹部に発生した骨肉腫症例の臨床病理所見と臨床経過を報告し,骨近傍に発生する骨肉腫の鑑別と骨肉腫では稀とされるリンパ節転移について文献的考察をした.
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