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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻9号

1986年09月発行

文献概要

臨床経験

膝窩部に発生したbursal osteochondromatosisの1例

著者: 水口龍次1 栗原章1 田中賢治1 福原啓文1 宮崎誠一1 豊田嘉清1 広瀬哲司1 鶏飼和浩2

所属機関: 1神戸労災病院整形外科 2神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1063 - P.1066

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 抄録:Bursal osteochondromatosisは比較的稀な疾患であるが,このうちpopliteal bursaに発生するものが最も多く,調べ得た限りでは17例の報告がなされている.今回,我々は膝窩部に発生したbursal osteochondromatosisの1例を治療する機会を得た.症例は54歳の主婦で14年来の左膝関節痛があり,膝窩部に鶏卵大で弾性硬の腫瘤が存在した.単純X線写真では腫瘤部に一致して多数の石灰化陰影が認められ,関節造影によって造影剤は腫瘤内に流入した.手術時,腫瘤は膝窩筋を圧排するように存在し,27個の遊離体が内部に存在した.滑膜の病理組織所見では中等度の炎症像と表層下の骨組織がみられたが,軟骨細胞は認められなかった.一方遊離体には周辺部で軟骨細胞がみられ中心部では内軟骨性骨化が認められた.これらの所見はMilgramのSynovial osteochondromatosisの分類によれば3期に相当する所見と考えられた.術後患者の愁訴は消失しており経過良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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