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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科21巻9号

1986年09月発行

文献概要

臨床経験

足関節の嵌頓様症状を呈した狭窄性腓骨筋腱腱鞘炎の1例

著者: 嶺尾和男1 渡辺康司1 水野耕作1 具幸夫1 廣畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1071 - P.1074

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 抄録:今回,我々は,狭窄性腓骨筋腱腱鞘炎で足関節の嵌頓様症状を呈した稀な症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は32歳男性の調理師,主訴は右足関節の嵌頓様症状と疼痛である.3年前,単車事故にあい,近医にて立方骨骨折として治療を受けたが軽快せず,半年後,当科にて距骨骨軟骨骨折と診断され穿孔術を受けた.以後,疼痛は軽減していたが,術後2ヵ月で荷重開始すると足関節の嵌頓様症状と疼痛が出現するようになった.腓骨筋腱腱鞘造影にて患側は踵立方関節あたりで像の杜絶を認めた.術中,腓骨筋腱腱鞘及び支帯,皮下の癒着と肥厚を,腱には圧痕を認めた.腱鞘,支帯を切除することにより,症状は著明に軽快した.又,組織学的には慢性炎症の所見が得られた.以上より,本症例の嵌頓様症状は狭窄性腓骨筋腱腱鞘炎によるものと考えられた.なお,我々の検索し得た範囲では,嵌頓様症状を呈したという報告は見いだせなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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