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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻1号

1987年01月発行

文献概要

シンポジウム 陳旧性膝関節重度靱帯損傷の治療

膝靱帯損傷における非手術例の予後

著者: 小林晶1

所属機関: 1福岡整形外科病院

ページ範囲:P.35 - P.47

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 抄録:膝関節靱帯損傷患者のなかで非手術例80関節の予後調査を行った.同時に45関節の手術例と対比した.総合成績はMCLが最も良く,以下LCL,PCL,ACL,複合の順であった.成績を左右する因子の中で最も大きいのはgiving wayの存在である.ACL損傷では91.3%,複合損傷で90.5%と大多数に存在し,これが受傷前激しいスポーツ活動をしていた場合に復帰障害となる.PCL損傷では30.8%しか存在せず非手術例でも完全復帰例がある.PCLの場合は激しいスポーツをしない人,女性,中年以降では最初から保存的治療でよい.逆にACLや複合損傷ではスポーツ活動の復帰や,OA発生の予防のためには手術的治療が優先する.ACLでは一次的補強や再建も考慮されるべきである.複合損傷では完全修復が事情により不可能なときにも1つでも修復を心掛けるべきである.半月損傷を合併するものは適切な処置さえ行えば予後に差はない.X線や他覚的異常動揺性が15mm以内であれば症状,愁訴との相関はない.最後に筆者の治療方針を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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