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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻1号

1987年01月発行

文献概要

臨床経験

髄内静脈瘤を伴った脊髄動静脈奇形の1例

著者: 大西啓一1 岡田孝三1 岡史朗1 林春樹1 大本尭史2 吉岡純二2

所属機関: 1香川医科大学整形外科学教室 2香川医科大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.101 - P.105

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 抄録:脊髄の動静脈奇形(以下AVMと略す)に髄内静脈瘤を合併した1症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例は53歳,女性.昭和58年9月,両足にしびれ感が出現,徐々に増強し軽度の歩行障害も出現した.その後突然歩行困難となり当科に入院した.入院時自力歩行は不能で,Th4以下の知覚障害を認めた.選択的血管造影にてTh3-4のAVMと診断した.またTh2レベルで脊髄の陰影がenhanced CTで増強され,髄内の血管性病変の合併を疑い手術を施行した.手術用顕微鏡下でTh3-4のAVMを摘出したところ,さらにTh2の髄内に静脈瘤を認め,注意深くこれを摘出した.現在術後1年になるが,再発なく経過良好である.Venous aneurysmを合併したAVMの報告は少なく,その成因は不明である.この症例の急激な歩行障害はVenous aneurysmが原因と考えられた.また,髄内の血管性病変の診断にenhanced CTがきわめて有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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