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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻10号

1987年10月発行

文献概要

論述

ガングリオンによる足根管症候群

著者: 長岡正宏1 佐藤勤也1 江川雅昭1 金沢伸彦1 武村剛1

所属機関: 1日本大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1124 - P.1129

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 抄録:ガングリオンによる足根管症候群は稀なものとされ,まとまった報告はきわめて少ない.そこで自験例をもとにガングリオンによる本症の病態,診断,治療および予後について,他の原因による本症と比較し,その特徴を検討した.過去8年間に経験した足根管症候群は45例54足である.そのうちガングリオンによるものは12例であり,従来思われていたほど稀なものではない.臨床症状のうち知覚障害の範囲は他の原因による症例と異なり,内側足底神経領域のみの障害例が75%と多かった.このことは,ガングリオンの起始部が距踵関節由来のものが多かったことと関連があると推察された.診断は,臨床症状より容易であることが多いが,腫瘤の穿刺は騎乗している脛骨神経を損傷することがあるため,安易に行うべきではない.治療法は,手術的治療が原則となるが,再発を防ぐため,できるだけその起始部より摘出することが望ましい.予後は一般的に良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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