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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻10号

1987年10月発行

文献概要

論述

四肢悪性軟部腫瘍の切離断例の検討

著者: 大野和則1 後藤守1 山脇慎也1 姥山勇二1 井須和男1

所属機関: 1国立札幌病院整形外科

ページ範囲:P.1131 - P.1137

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 抄録:当科にて扱った四肢発生の悪性軟部腫瘍のうち,切離断術を施行した38例について検討した.切離断の適応となった例は,骨・大血管・主要神経へ腫瘍が浸潤したいわゆるT3の症例が最も多く31例(81.5%)を数えた.組織型別では脂肪肉腫が最も多く,次いで横紋筋肉腫,MFH,血管肉腫が多かった.新鮮例は15例で横紋筋肉腫が最も多く,局所再発例は16例で脂肪肉腫が最も多かった.
 切離断例の3年生存率は21.2%ときわめて不良であった.38例中32例(84.2%)がstage IVにて切離断術をうけており,これらの予後は組織学的悪性度の高低よりも病期が支配している結果を示した.局所再発は腫瘍の局所浸潤度を増し,切離断という四肢の重大な機能喪失をもたらすだけでなく,その生命予後をも悪化させた.再発を生じ切離断術を行った腫瘍には,組織学的悪性度の比較的低いものが多く,適切な初回治療による再発の防止が大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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