icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻10号

1987年10月発行

文献概要

シンポジウム 骨肉腫の患肢温存療法

骨肉腫の患肢温存手術

著者: 川口智義1 網野勝久1 松本誠一1 真鍋淳1 古屋光太郎2 磯辺靖2

所属機関: 1癌研究会附属病院整形外科 2東京医科歯科大学整形外科

ページ範囲:P.1189 - P.1197

文献購入ページに移動
 抄録:骨肉腫34例の患肢温存例について検討を加えた.内訳は放射線治療を主体とした治療群7例,治癒的広切を主体とした13例,化学療法有効下手術群4例,化学療法と放射線下手術群10例であった.1981年以後の再発は2例にみられ5年生存率は52%であり満足にはほど遠いものであるが少なくとも患肢温存手術が予後を不良にすることはほとんどないと考えられた.再発要因としては潜在性スキップ転移によるものが考えられたが他に静脈浸潤,リンパ節転移も問題と成りうると考えられた.術前化学療法は有効であるとwide marginが生じても根治性を保証しうるがさらに放射線治療はmarginal marginの生じた手術の根治性をも保証しうる可能性があると感じた.しかし放射線施行例では術後合併症が多く真の患肢温存率向上を目指すためにはできるだけ完全な手術的切除を行い放射線照射は量,範囲ともにできるだけ限定し症例も選んで行う必要があると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら