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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻10号

1987年10月発行

文献概要

臨床経験

徒手整復不可能であった第1足趾IP関節背側脱臼の2症例

著者: 鍜利幸1 三木堯明2 山室隆夫2

所属機関: 1日本バプテスト病院外科 2京都大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1221 - P.1224

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 抄録:第1足趾IP関節の脱臼は,稀にvolar plateが嵌頓し徒手整復不能となることがあり,過去,内外で21例の報告がある,我々も,2例を観血的に整復した.
 症例1は,35歳の男性で,バイクで転倒して来院,第1足趾IP関節の背側脱臼を認めた.IP関節に嵌頓した種子骨が整復障害となっており,これを観血的に掌側に整復した.種子骨はintactな両側側副靱帯でしっかりと固定されて,徒手整復は全く不可能と考えられる状態であった.2ヵ月後にはほぼ正常に回復した.症例2は,26歳の男性で,保線工事中,レールとクレーンの間に挾まれて来院,第1足趾IP関節の背側脱臼を認めた.X線でIP関節裂隙の拡大があり,観血的整復を施行した.術中所見では,volar plateが指節骨の間に嵌入していたが,外側側副靱帯が断裂しておりIP関節を内反させながらvolar plateを掌側に整復した.4週間後現在,経過は順調である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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